私は、小さい頃から犬を飼うのが夢でした。しかし、私自身がアレルギー持ちで、酷いアトピーだったこともあり、両親が動物を飼うことを許してはくれませんでした。唯一許されたのが十姉妹という小鳥でした。しかし、ある日ヘビに食べられてしまい、私自身とてもショックを受けました。その時に、生き物を飼うというとの責任の重大さや愛情の深さを知って、この事件があってから犬を飼いたいとは思わなくなりました。しかし、20歳を過ぎたある日、ペットショップの子犬を見て犬を飼いたいという気持ちが再度沸いてきました。仕事もしていたので、この子犬を養っていける経済力もありましたし、小さい頃からの夢を叶えられると想って購入に至りました。犬を購入してからは、あまり家から出ない私も、散歩など外へ出る機会が増えました。また、犬繋がりで知人ができたり、恋人ができたりと人付き合いが大きく変わりました。
自分を噛むのは分離不安症かも
1人暮らしの時に飼った犬だったので、当然、私が仕事に行くときは犬を一匹で留守番をさせなければなりませんでした。残業のときもあるので、時には一日の大半をこの犬は留守番をしていなければなりませんでした。初めて犬を飼うこともあって、この飼い方に疑問も感じなかった私でしたが、ある日家に帰ってくると1歳に満たないこの犬が、血だらけになっていました。慌てて身体を調べてみると、自分の尻尾を噛みちぎっていたようでした。
すぐに動物病院で診察を受けたときに獣医さんに「分離不安症という症状で、重度のストレスを抱えています。家で仕事をなさるか、もう一匹犬を飼い、1匹だけで留守番をさせないようにしてください」と言われました。会社を辞めることは考えられなかったので、もう1匹を飼うことにしたのですが、分離不安というのは、もう1匹の精神状態が良くなければ、2匹共この病気になってしまうということがあるそうです。
後から飼った犬も、母犬から早く離されていたこともあり、精神的に不安定だったようで、結局2匹とも分離不安になってしまいました。
うちの家で飼っている犬の症状は、留守番をさせると鼻をクンクンと慣らし続けます。一見可愛い様に感じるかもしれませんし、他人に迷惑をかけないように感じる人もいるかもしれません。しかし、想像より遥かに高音の上、集合住宅に住んでいれば隣人に聞こえる声量です。留守番させている時間が3時間であれば、3時間鼻を鳴らし続けます。
マンションに住んでいた私の元には、「うるさい」「犬を虐待している」などと苦情がありました。分離不安症の犬を抱えている人であれば、マンションやアパートでの生活は向かないかもしれません。私も、自分の飼っている犬が悪い、そして躾けられない私が悪いと思う反面、分離不安症は躾けで解決することではなく、精神の病ですからどうしようもなく、やがて飼い手側も精神的に追いつめられます。
分離不安症の犬を留守番させる方法はテリトリーを狭くしてあげる
それで、分離不安症をテーマにした資料や本を読み、どうにか改善しようと勉強しました。そこで、分かったこと、この分離不安症の犬を留守番させる方法は、留守をさせる際は、ゲージに入れテリトリーを狭くしてあげるということです。当時、ゲージをすぐに用意できなかったので、お風呂場の脱衣所に私の匂いのついた衣類を置いて留守番をさせました。また、出掛ける際に、長めに噛んでいられるおやつを与え、夢中になっている間にそおっと出て行くようにしました。
この方法だけで、クンクンと鳴き続けるということがなくなりました。